あと数ヶ月すると独立してから、なんだかんだで丸12年。
一周回ることになる。
まわりの人のおかげだと感謝しかない。
アルバイト先のカバン専門店の販売スタッフからスタートしたこの世界、ふと気付けばもう30年以上もいる。
長くいれば良いってものではないけど、何かしらの意味があるのかも。
昔から頑固で思い込んだら、他人の意見も聞かず突き進んでしまう性格で、まわりを巻き込んでわがままを通してきた。
そんなわがままな自分をずっと受け止めてくれた場所がこの世界なんだと思う。
未だに色々やりたいことだらけで、全然落ち着かないけど、ひとつ言えるのは、販売や営業を長くやっていたせいか対価を戴くエンドユーザーさんの気持ちになって価格以上の付加価値をつけて喜んでもらいたいと気持ちが強い。
それをすると時には儲けがなく自分のクビを絞めることにもなったりするけど、ユーザーさんの立場からしたら弊社に仕事を依頼するのは勇気がいると思うから出来る限りのことはやりたい。
会社を経営する以上はヒト・モノ・カネのバランスが大事だと痛感しているから、きれいごとばかり言っていられない。
わかってはいるんだけど、先日も職人さんと話して、やっぱりせっかくのオーダーメイドだから、面倒だけどここまでやりたいと、こちらの想像以上のワクワクするアイデアを考えてくれたから、素晴らしいから是非やってくださいとなった。
依頼したユーザーさんの驚きと喜びの顔が浮かぶ。
そんなことばかりで商売の仕方は本当に不器用で下手だと認めるしかない。
オーダーメイドの依頼の中には、1年も待っている方もいるし、やり始めたらもうあれこれ考えすぎて、大抵は早くは上がらない。
本当にわがままな話。
その代わり全力で喜んでもらえるように、その時点でのベストを尽くす。
自分も人間だから、納めてから値段安くし過ぎたなーと思って落ち込むことも多々ある。
毎回手さぐりで我が道を進んで行く感じだけど、最近は御礼の言葉やメールを頂くこともしばしばある。
単純な自分は、やって来たことは間違いないとすぐに切り替わってしまう。
最近は同業と話しても暗い話ばかりで、皆楽しんで仕事していないように感じる。
本来ならファッションの一部でもある世界だから、世の中を明るく楽しくしないといけないのにと常々考えてしまう。
心に余裕がないから、脳天気に明るくしていられないのは、自分も含めて皆一緒。
自戒をこめてだけど、やっぱりワクワクする気持ちや気が引き締まるような本来の意味でのアプローチが必要だと思う。
全部を否定はしないし、人それぞれやり方は違うから一概には言えないけど、素材や革のブランド名でなく、やっぱりデザインや企画力といった創造性が大事。
ということで、わがままはまだまだ続きます。