永瀬 吉威

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「モノの価値」は「ヒトの価値」


今年は10周年という節目を迎えられた年でした。           起業当時とにかく先ずは10年間独りでやると決めました。           それには10年を1つのサイクルと捉えて、自身で経験を積まないと説得力がないということと、           色々チャレンジをしていきながら方向を探っていくやり方では、他人がいたら振り回してしまうという考えがありました。          
自分の会社で責任も自身で取れば迷惑をかけることもないと。
         
今思えば稚拙なことです。
         
やり遂げはしましたが、なんだかんだ言って、人は一人では何も出来る訳がなく、結局は誰かのお世話になっていると痛感しました。
         
ずっとまわりの方々の色々な支えがあって現在にいたります。
         
そんな10年間で思っていたことは、モノの価値って何だろう?でした。
         
誤解を恐れずに言えば、世の中似たようなモノだらけで、価格も他社より安くというような下のくぐり合いが見受けられます。
         
それはそれで商売のやり方だと思いますが、何処かにシワ寄せが起きてしまいます。
         
無闇に価格を上げたい訳ではありませんが、生産現場からユーザーさんまで良い循環をしないとモノづくりは衰退してしまうという危機感があります。
         
大量生産・大量販売の世の中ならいざ知らず、価格競争の先には儲からないから辞めてしまう現実が見えてきます。
         
また、職人さんの高齢化という問題もあり、明らかにモノづくりに入る人より、出てしまう人の方が多いのです。
         
モノづくりに入る方を増やすには、これで食べていけるという環境も大事なことで、それには私ひとりの力だけではどうにもなりません。
         
モノづくりの国がモノを大事にしないでどうするのか?と思います。
         
私も店頭で10年間販売していた経験もありますので、職人さん側だけの方を持つ気はありませんが、      
   
簡単にモノが出来ると勘違いしていたり、簡単に捨てたりする人が多いのにも辟易します。
         
売るのも買うのも大変な労力が必要なのも承知しておりますが、モノがなければ売買も出来ないはずです。
         
本当にこのままだと国内でモノを創ることがどんどん衰退していく危機感しかないのです。
         
似たようなモノだらけの結果、今の世の中はモノが溢れすぎています。
       
また、モノに限らず情報などもそうだと思います。
       
明らかに需要に対して供給過多の状態です。
       
そんな状況が今後も続くと思われます。
       
皆一生懸命に仕事しているはずなのに、一向に景気が上がったと実感できないのは、      
   
お腹がいっぱいならもう食べられないのと同じように、そこまで要らないよということなのではないかと思います。
         
目指すのは、他にはない付加価値の高いモノづくりで、これならとユーザー様に納得頂ける完成度や独自性を追求していくことです。
         
それには長い時間がかかることも課題が山積みなことも覚悟しなければいけませんが、      
   
10年の節目をクリアして11年目に入ったからには新たなギアを入れて心機一転精進したいと思います。
         
最後に「モノの価値」は「ヒトの価値」に通じるのだと考えております。
       
皆様、今後とも宜しくお願い申し上げます。

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